移住者体験談
UYさん
移住先 | 松本市 |
---|---|
移住年月 | 2014年9月 |
年代 | 40代 |
家族構成 | 夫婦、子供3人 |
職業 | 専業主婦 |
移住のきっかけ
地方出身ですが、もともと自由な都会の暮らしが好きでした。音楽をやっているので、文化レベルが高い東京は魅力があり、居心地がよかったです。
でも震災後の混乱の中で、幼い三人の子供をこのまま都会で育てていってもいいのかな、とはじめて考えることになりました。
そんな時、縁があって埼玉の秩父に週末通うことが増え、地方暮らしの豊かさや、特に都会と変わらなく(電車は都会のようには来ないけれど)生活できるのではないか?ということを、まさに肌で感じました。秩父には約三年通い、移住の疑似体験にもなりました。子供達が移住後の生活にすんなりと馴染めたのも秩父通いのおかげが大きかったかもなあ、と思います。
松本のお気に入りの場所、イベントなど
・あがたの森公園(工作大好きな子供達にとって、クラフトピクニックは夢のようなイベントです。美味しい食べ物屋さんの出店もあり、広々とした素敵な公園で、一日中もの作りにひたれます。)
・松本城(観覧料不要の松本城公園で散策したり、白鳥をながめたり、ベンチに座ってのんびりしたり・・・夏のOMFイベントも楽しみです)
・芳川公園(住宅街にありますが、芝が美しい広場、遊具、水遊びスポットも充実。春先はピクニックを楽しむ家族連れも大勢。午前中遊んで近くのレストランでお昼を食べて帰る、というのが我が家の定番コース。)
ほかには中町、スカイパーク、老舗の和菓子屋さん、温泉、スキー場などがお気に入りスポットです。
移住先としての松本
美しい北アルプスを望み、水、ぶどうやりんご、野菜が美味しく、空気が良い。東京にもほど近く、クラフトや音楽の盛んな文化的な街。
でも暮らしてみてわかった、いちばんの魅力は、松本の「人」。
小澤征爾さんも昨年のOMFの会見でおっしゃっておられましたが、「信州の人、松本の人は、人柄が素晴らしい」
まじめで、前向き、しっかり自分を持っておられるけど、おしつけがましいところや、ひねくれたところがない人が多いように思います。
転勤者の多い松本は、地元の方が県外出身者に慣れておられ、移住者も暮らしやすいです。
冬の寒さは厳しいですが、降雪量は少ないです。年間通して湿気が少なく、夏はカラリとしていて爽やか。(寝苦しい夜というものは存在しません!)
子育て環境としての松本
公園、自然が多く、子どもたちの居場所がたくさんあっていいな、と思います。地域の行事もたくさんで、親が一緒の活動も多いのですが、それらの負担より、圧倒的に「地域の方々があたたかく、ほどよい距離感で共に子供を育ててくれることがありがたい」と感じます。子供が大事にされているなあ、と実感することが本当に多いです。
長野県は教育県として有名ですが、小学校ではいわゆる「読み書きそろばん」、読書には力を入れていると感じます。図書袋という専用の肩掛けバッグを持って、娘は毎日図書館に通い、ますます本が好きになりました。
中学生は「白文帳」というノートに毎日漢字を書く宿題が出ます。こちらにきて、字のきれいな人が多いなあ、とよく思うのですが、そのおかげかもしれないですね。
保育園、学童保育等は待機児童ゼロ。働くお母さんも多いです。仕事を探す前にまずは預け先を・・・!と心配するのが普通な都会を思うと、最初から仕事探しのことだけ考えればいいのですから、子育てする上での気分は随分違うだろうなあ、と思います。
移住を考える方に・・・
移住というと、就農や起業、リタイヤ後の夢の山小屋暮らし、みたいなイメージがあるかと思うのですが、我が家は典型的なサラリーマンの核家族。東京にいる時の暮らしと基本的にさして変わらないです。市民農園を借りたけれど、途中から世話ができなくなって挫折したりしていますし(笑)
都会の便利な生活から一転、田舎暮らし というと、なにもかもハードルが高く感じられるかもしれませんが、「田舎暮らし」ではなく「地方暮らし」と、もう少しゆるやかにとらえてみられてはいかがでしょうか。市民農園は挫折した私たちですが、自宅の小さな庭にハーブや花を植えたり、ビジターで参加する田植えや稲刈りのイベントに参加したりして、楽しんでいます。
もちろん移住は、個人の価値観が大きくかかわる決断ですから、そもそも他人の意見が役に立つのだろうか?という疑問もありますし、簡単に決められることではないのですが・・・(簡単に、いわば勢いで決めてしまうと失敗することもあると思います。特にお子さんがおられる方にとっては「失敗した」で済む話ではないのではないでしょうか?)
ご自身の気持ちをじっくり確認されたあと、気になる移住先には、何度か足を運んでみられ、生活者の目線で、できればゆっくり滞在されるといいのではないか、と思います。