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    移住者体験談

    Vol.7須坂市で頑張る新規就農者を支える家族/「夫婦一緒に過ごせる時間がやっと持てた」

    千葉県 須坂市 農林業・自然と働く

    秋元倫子さん

    移住先 須坂市
    移住年月 2017年4月
    家族構成 本人、夫、長男(高校1年生)
    職業 農業
    夫婦一緒に過ごせる時間がやっと持てたの画像

    夫婦一緒に過ごせる時間がやっと持てた

    ご主人の啓さんは、2016年5月に単身で須坂市に移住し里親研修を始める。倫子さんと長男は、長男の中学卒業を待って高校入学のタイミングで2017年春に移住。

    「移住して農業を始めたことで、夫婦一緒に過ごせる時間をやっと持つことが出来た」
    今回お話しを伺ったのは、ご主人が単身で須坂に移住をされてからおよそ1年後となる今年の春に“時間差移住”をされた秋元倫子さんです。
    冒頭に紹介した倫子さんのことばや、時間差移住の背景には、それぞれのやりたいことや役割を尊重しあいながら、理想の暮らしや生き方を追求し続ける家族の姿がありました。


    ●夫が農業を目指すまで
    夫はもともとものづくりが好きだったようで、会社に勤めるかたわら、「ものづくり」の仕事に就こうとしたことがありました。
    しかしその時は、私には生活環境などの面でどうしても受け入れ難い点があり、諦めてもらいました。実はそのことがささくれのようにずっと心に残っていました。
    だから夫からぶどう農家になるという新たな望みを聞いたときに、今回はなんとしても叶えて欲しい、応援しようと思いました。


    ●須坂への移住を決めるまで
    移住・就農へ向けて、まず、二人で不安なことを箇条書きにして挙げてみました。
    全て望む通りとはいかない点もありましたが、優先順位をつけ、不安材料はひとつずつクリアにしていきました。
    私は夫に「絶対成功して」とは言いませんでした。うまくいかないことがあっても次の手段を考えればいいことですから。
    むしろ、やりたいことをやらない方が後悔してしまうのは以前の経験のとおりです。
    幸い息子もこの移住には賛成で、私たちの背中を最後に押してくれたのは、彼の「早くしないと僕が先に就農しちゃうよ」という嬉しい言葉でした。


    ●須坂へ移住するまで
    移住し農業を目指すことを決めると、まず夫が1年前に単独で先に移住し、ベテラン農家さんのもとで農業研修に入りました。
    中学を卒業するまでは生まれ育った木更津でお友達と過ごしたいという息子の希望を尊重し、母子2人で千葉に残り中学生活最後の1年を過ごしつつ、長野県の高校受験の情報収集や準備をしました。
    いろいろ、中学校の先生にはご苦労をかけることもありましたが、おかげさまで息子は、今では元気に希望の高校へ通っています。


    ●須坂で生活してみて感じたこと
    須坂はスーパーやコンビニも多く、県立の立派な病院もあり、また県庁所在地の長野市とも隣接しているので、とても便利で暮らしやすいと思います。
    「田舎」というより、「都会と田舎の中間」といった感じです。
    移住を決める前にいくつかの地域を見て回りましたが、須坂は他の地域とは全く違う印象を受けました。
    例えば町じゅういたるところ、道端や空地さえも草刈りなど管理の手が行き届きとてもきれいなのです。
    他とは異なる須坂の独特な雰囲気は、須坂の人びとの真面目さや意識の高さ、歴史に育まれた地域全体の文化度の高さに因るものではないかと思います。


    ●やっと夫婦で一緒に過ごせる時間を持つことが出来た
    以前は、ご主人の啓さんは長い間、休日も仕事から離れられず、せっかく家族なのに共有できる時間をほとんどとれないという毎日で、お二人とも割り切れない気持ちを抱き続けていました。
    須坂に移住してから一緒に農作業に取り組むようになると「やっと夫婦で一緒に過ごせる時間を持つことが出来た」と感じたそうです。
    それは、1日のうちに長い時間を一緒に過ごすという意味もあるでしょうが、むしろ同じ仕事で同じ目線で一緒に社会に係わっているという意味もあるのかもしれません。
    「移住は夫の夢の実現を応援するものだったけれど、ふとした瞬間に目に入る美しいアルプスの山並みに感動し、夫に対して“ここ(須坂)へ連れて(移住して)きてくれてありがとう”という感謝の気持ちでいっぱいになる」と、語る倫子さんの表情はとても輝いていました。



    大学時代に知り合ったというご夫婦は、子育てがひと段落した今、新たな目標を見つけ、それをふたりで共有し育みながら、恵み豊かな新天地で充実した時間を過ごしているのでしょう。

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