移住者体験談
久米達也さん、恵さん
移住先 | 須坂市 |
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移住年月 | 2017年9月 |
年代 | 40代 |
家族構成 | 夫婦 |
職業 | 葬儀会社勤務 |
東京都から須坂市に移住した久米さんご夫婦と受け入れ企業の博善社インタビュー
平成29年9月に須坂市に引っ越して来て2ヶ月の東京出身の久米達也さん(45歳)と奥様の恵さん(45歳)のご夫婦は、須坂市の「移住支援信州須坂モデル」で移住されました。
この「移住支援信州須坂モデル」は仕事と住まいをパッケージングしてご紹介し移住へと繋げるものです。
久米さんご夫婦に、移住に至った経緯やご主人の新しい仕事についてお話しをお聞きしました。
また、久米さんを採用した博善社(葬儀会社)の竹村総務部長と久米さんの直属上司の小田切事業推進室参事にも移住者受け入れ企業の立場からお話をお聞きしました。
<久米さん移住決定までの経過>
・1月下旬 長野地域の移住セミナーで須坂市を知り、興味をもって調べ始める
・5月27日(土)東京で開催した須坂市移住個別相談会に参加
・6月3日(土)移住体験ツアーに参加し博善社の見学、面談・社宅を見学
・7月1日(土)博善社で面接試験、採用決定
・7月~9月 勤めていた旅行会社の仕事を整理、自宅マンションを売却、自動車普通免許を取得
・9月下旬 須坂市に引っ越し
・10月2日(月)博善社で勤務開始
<久米さんご夫婦のインタビュー>
●当たり前だと思っていた東京での片道2時間通勤
「大学卒業後、全国展開する旅行会社に就職して20年以上経過していました。都内4店舗の営業所長を経験しましたが、片道2時間かけて通勤していた店舗もありました。なんとか終電に乗れても夜中1時に帰宅し翌朝5時起きの生活だったり、終電に間に合わなければ会社に泊まる日もありました。都会での仕事はこれが当たり前だと思っていたので、大変さを感じながらもそんな生活を続けていました」
●移住の目的と長野県須坂市を移住地にした理由
「旅行会社での仕事は、接客や海外旅行商品の提案などお客様と対応したり営業所内をまとめるマネジメントをしていました。さらに今まで以上に大きな役割を任され「さあ、これから」という時だった昨年5月のこと、病気で倒れ生死をさまよいました。入院生活を終え8月には仕事の内容を変えて職場復帰し、状況を見ながら再び元の仕事に戻りました。しかし、この病気がきっかけとなり「本当にこのままの生活でいいのだろうか?」と思い始めました。結論は「東京で働き続ける必要性がない」という決断に至り、再び与えられた命を大切にして人生をリセットしようと今年1月から本格的に移住を考えるようになりました。元々、私たち夫婦は山が好きで登山もよく行っていたので長野県をいろいろ調べていました。須坂市は県庁所在地の長野市に隣接しているのと買い物環境や医療施設が揃っていて便利そうな場所だったので、住むなら須坂市、仕事は長野市が多いだろうと思っていました。東京の銀座NAGANOでの須坂市個別移住相談会に参加したところ博善社の紹介を受けました。しかも社宅付きで。これまではどの市町村でも「仕事はハローワークの求人から選んでください」と言われていたので、まさか仕事まで紹介してもらえると思わなかったです。さっそく移住体験ツアーに申し込みました。移住は第一に仕事、住まいはその次の課題だと思います」
●博善社の仕事を決めた理由
「今まで自分は旅行会社の仕事しか行っていなかったため他の業種ができるか不安な面もありました。しかし、紹介された博善社は葬儀会社で、お客様と関わり創り上げる点が旅行会社に共通する部分だったので「これまでの経験を生かせるかもしれない」と直感しました。移住体験ツアーでは、見学と面談のほか社宅も見ることができたことで移住後のイメージがリアルに広がりました。ただ、夜勤があることで以前に病気を患った自分には不安があり、会社に対して率直に希望を伝えさせていただいたところ、担当部署や働き方を考慮し採用していいただきました」
●移住するまでに準備したこと
「これまで働いていた旅行会社の仕事の整理や引き継ぎで7月末まで東京で働き、それから他県での合宿免許で車の免許を取得しました。東京では車が必要ない生活だったので免許を持っていませんでしたが、移住後は必要になると承知していたので問題はなかったです。就業後に須坂市内で軽自動車を購入しました。自宅マンションの売却も準備期間中に済んだのですべて計画通りに進められました。採用してくれた博善社の方からは「きちんと仕事の引き継ぎを完了させてから来てほしい」という有り難い言葉もいただいていたので助かりました。仕事を持っていたら即移住というのは不可能だと思います。理解をしてくださった博善社には本当に感謝しています」
●須坂市で暮らしてみて
「まず今は初めての冬が心配ですが、順応していくしかないと思っています。今は車があるので市内の買い物はもちろん市外に移動するのも簡単ですし、長野市の本社に出勤するにも30分くらいで便利です。東京に住んでいた時は新幹線に乗らないと行けなかった自然のある場所へ今はすぐ行けます、それもたくさんあります。お金をかけずに遊びに行けます。来年の夏以降は登山も休みの度に行く計画をしています」
奥様の目線からは「スーパーは以前住んでいた所より数が多いですし、内容も変わらないので困らないです。うれしいのは野菜が安くてたくさん売っていることです。これにはとても満足しています。須坂市は東京と違って、ほどほどの人口で穏やかに暮らせる居心地の良い場所です。電車の時間は調べてから乗るようにすることを覚えました。東京で乗り慣れていた自転車が須坂市では走りづらいことがわかり、いかに一人一台の車社会かということを実感しています」と答えてくれました。
続けて奥様から現在移住を検討している方々へのメッセージとして「私たち夫婦は何よりも健やかに暮らすことが一番の希望でした。人生で何を大切にしたいのか、その価値観を確認できれば先を見据えた移住ができると思います。家族で話し合うことが大事ですね」と、今後の人生をよりよいものにしようとご主人と決意した移住だったことを話してくれました。
最後にご主人が「須坂市で今後ずっと暮らしていくのだから焦らずに気長に慣れていこうと二人で話しています。今の生活は病気が導いてくれた結果でもあり、博善社への就職をはじめ須坂市で暮らすこともご縁あっての移住だと思っています」と話してくれました。
●博善社での仕事と今後の目標
「今は事業推進室という部署で葬儀後の法事やアフターフォローをしていて、お客様を訪問するなど上司に同行しながら仕事を覚えています。早く一人で動けるようになりたいと焦る気持ちもありますが、上司は「焦るな」と声を掛けてくれるのでとても心強いです。長野県の葬儀は東京と異なる部分が多々あり、地域のしきたりなど知ることが多く奥深い仕事だと感じています。東京の職場の人数に比べると規模は小さいですが、与えられた仕事が明確にあるのでやりがいがあります。早く自分なりの色を付けられるようになりたいですし、採用してくださった博善社に恩返しができるよう務めていきたいです」
<博善社の竹村総務部長と久米さんの直属上司の小田切事業推進室参事のインタビュー>
●都会からの移住者を受け入れる
「もともとIターンの採用もすすめていたので移住者の採用は特に問題ありませんでした。これまでお世話になった前の会社の引継ぎなどを、きちんと済ませてから来てもらいたいと思っていました。我が社も法事などのアフターフォローを本格的に進める事業推進室を立ち上げるところだったので即戦力になる久米さんの受け入れは本当に良いタイミングでした」
●会社のレベルアップのために
「我が社ではこれまで20代限定の採用を進めてきましたが、久米さんのように20年以上会社で実務を積んできた方は仕事のノウハウを直ぐ生かせるのが強みであり、会社のレベルアップにも繋がると思っています。久米さんは優秀な人材としての採用であったことはもちろんですが、お人柄もプラス要因でした。以前病気を患ったこともあったので心配もありましたが我が社には必要な人材でしたので働き方を考えながら採用を決めました。都会からの移住者でも適任の方がいれば今後もぜひ受け入れたいと思っています」
●将来は会社の軸となる人材に
「久米さんの採用は我が社においても事業推進室の立ち上げとともにタイミングが良かったですし、これは本当にご縁だと思っています。奥様にも、移住して博善社に勤めて良かったと思ってもらえるような働きをしてほしいと願っています」
久米さんの直属の上司にあたる小田切推進事業室参事は「偶然ですが、私も久米さんと同じように長野市の旅行会社で営業を20年やっていました。同じく40代で博善社の仕事に就きました。久米さんも旅行会社でお客様を対応されてきたので早く職場や業務にも溶け込めると思いますし、できると信じています。将来は会社の軸となって皆を引っ張っていってほしいです」とエールを送りました。
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移住者の大半は、いざ移住を決めても、現在の仕事の整理や生活の切り替え準備のためにある程度の期間が必要になります。その期間を考慮してくれる企業の存在は移住者にとって本当に有り難いことです。企業にとっても良い人材を採用できることは理想ですし、移住希望者にとっても「移住」に理解を示してくれる会社があるのは何よりも心強いです。「移住者の受け入れ=心を受け入れる」だと私は思います。全国には様々な地域があると思いますが、理解を持って受け入れる「人情」の部分が、この須坂市には強くあるように感じます。また、そう願いながら会社訪問をする日々です。
今回取材した久米さん曰く「移住は、将来を見据えて計画をしっかり立てれば順当に進められると思う」ということでした。色々な思いを抱きながらも計画をもって進めたからこその移住だと思います。移住には希望者本人による「目的と決断」が必要です。私たち信州須坂移住支援チームは、あくまでも仕事や環境について充実した情報を提供することに徹し、そこに最後の決断のひと押しの部分を支援しています。最後は移住希望者の意志決定次第です。
移住後も引き続き私たち移住支援チームの役目が新たに始まっています。須坂市に移住して良かったと実感してもらえるよう支援をしていきたいと思っています。
移住をお考えの皆さん、まずは須坂市の移住相談会に参加してみませんか?
(信州須坂移住支援チーム 移住・定住アドバイザー 豊田貴子)
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須坂市移住サイト「スザカでくらす」でも掲載中!
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