移住者体験談
須坂市地域おこし協力隊 古川広野
移住先 | 須坂市 |
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移住年月 | 2018年4月 |
●はじめまして
2018年4月から須坂市峰の原高原で活動をしております地域おこし協力隊の古川広野(こうや)です。
私は須坂市峰の原高原出身です。2018年3月に福岡の大学を卒業し、地元に帰ってきました。
Uターンしてきたという立場である私の目線も含めて、峰の原高原のことを皆さんにお伝えしていきたいと思います。
●峰の原高原の「MiNe」と「緋の滝」
峰の原高原にはMiNe(マイン)という団体があります。
MiNeは、峰の原高原の山野草をはじめとする自然や、景観などを保全する活動を主に行っている有志の団体です。
私もこの団体の活動をお手伝いさせていただきました。今回はその内容についてご紹介します。
みなさん、「緋の滝(ひのたき)」という場所はご存知でしょうか。
峰の原高原スキー場駐車場の下方で岩場を流れ落ちる、とても美しい滝です。
春にはカタクリやニリンソウなどの花も多く咲き、遊歩道を歩く人が増えてきます。
MiNeでは緋の滝へ向かう遊歩道の整備を行いました。
「遊歩道の整備」といっても、大きな重機を入れたりはできませんしたくさんお金をかけられるわけでもありません。
地元の人たちの手作業で少しずつ少しずつ、歩きやすいように整備していくわけです。
ではどういった整備をするのか。単純に「整備」の一言ではわかりませんよね。
私がお手伝いさせていただいた体験から、その内容を紹介したいと思います
●遊歩道整備!
春、雪が解けて間もなくのことです。私は遊歩道を歩き、緋の滝へ向かってみました。
この時の遊歩道は、ほとんどカラマツの枯れ枝で埋まっていたり、日陰の部分は雪が残っていたり、たくさんのミズナラの葉っぱで埋まっていたり、土が流れてきて傾いていたり…要するに、歩きにくい!という状況でした。
来てくださる方が少しでも歩きやすいようにするためにも、こういった問題を一つ一つ解決していきます。
下見の時にチェックした、修復が必要な場所を目指します。歩きながら枯れ枝をどかし、ミズナラの葉っぱを履き、ようやく地面が出てきます。
土がたまって傾いてしまっているところは、周りを彫ったり、あるいは土をのせたりしてなんとか平らにしていきます。階段ももちろん手作りです。
木は現地調達してのこぎりで切り分け、鉈(なた)で先をとがらせて杭を作り、掛矢という大きな木槌で支えになる杭を打ち、階段のステップとなる横木を埋めて、実際に上り下りしてみて問題がなければ完成です。
急な坂道に新しく階段を加えたり古くなったものを取り替えたりしました。
私がやったのは全体から見たら本当に少しだけでしたが、なかなか大変な作業でした。
かつて道がなかった場所に、長い時間をかけて一人で遊歩道を作った超人のような人もいたそうです。本当にすごいです。
それを考えると私が手伝ったほんの少しの作業なんて大したことはないのかもしれません。
それでもしっかり筋肉痛になりました。日頃の運動の大事さを身にしみてわかるとともに、峰の原高原の人たちの強さを感じました。
●おわりに
遊歩道を歩く度に、山は違う姿を見せてくれます。少し前はカタクリやニリンソウが元気に咲いていました。
今の時期は新緑が素晴らしく綺麗ですね。カラマツの新芽はとても可愛いんですよ。
現代社会で生きているとなかなか自然の中を歩く機会は少ないかもしれません。たまには自然を満喫してみてはいかがでしょうか。
森にはたくさんの生き物がいます。中には熊さんもいますので行くときは複数名で、歌でも歌いながら行くのがおすすめですよ。
ぜひ峰の原高原の緋の滝にお越しください。