移住者体験談
野澤健太さん
移住先 | 須坂市 |
---|---|
移住年月 | 2022年10月 |
●移住先を決めるまで
はじめまして。
2022年10月から須坂市地域おこし協力隊に着任した野澤健太です。
1986年7月10日生まれの36歳(8月着任の北隊員と同い年)です。
出身は栃木県宇都宮市です。兵庫県明石市から移住してきました。
明石市に住んでいた頃は海まで徒歩15分という環境だったので、空いた時間を利用して明石海峡大橋と淡路島を一望できる松江海岸にて黄昏るのが好きでした。
大好きなアルプスが見れる環境で過ごしたい。自然に恩返しがしたい。
社会人になってから会社の同期に山登りに誘われたのがきっかけで、週末に山登りのために長野に来る機会が増えました。
初めてテント泊した北アルプスの涸沢カール。ここからアルプスの虜になり、山が好きになりました。
気がつけば山登りのため4週連続で長野に通う時も!
しかしながら、兵庫から長野までは車で6時間以上、長野に来るたびに「長野に住んでる人が羨ましい、自分も長野に住んでこの景色を眺めながら暮らしたい」と思うことが多くなりました。
毎日決まった時間に決まった場所に行き、毎日決まった行動をする。ルーティンワークの中で慣れが生じ、挑戦や冒険といったワクワクは消え失せ、いつしか面倒ごとに巻き込まれたくないという気持ちが芽生えていることが嫌でした。
私は過去に一度転職を経験しているので、職を変えることによる環境の変化にはさほど抵抗はありませんでした。
でも、今の職を変えたところで数年もすればその仕事にも慣れてしまう…サラリーマンである限りこのループからは逃げられないと感じていました。
加えて今年(2022年4月)に約7年従事していた仕事で異動がありました。幸いにも引き継ぎは上手くいき、私が居なくても充分に仕事がまわっていました。
一方で私自身は抜け殻のように中身が無くなってしまった気持ちになりました。また一から仕事を教わり覚える日々…「これで良いのか?」と思うことが多くなりました。
それなら、いっそのこと脱サラして起業して自分のやりたいことをすれば…でも「思うは易く行うは難し」でした。失敗した時のリスクが怖くて一歩前に出る事が出来ませんでした…
●「これだ!」自分がやりたかったことは
「新たなことを始めるなら長野に移住して自然に関わる仕事がしたい」そう思って仕事終わりの空いた時間に移住サイトを見て周る日々が続きました。
そんな中、「楽園信州」というホームページで須坂市の地域おこし協力隊の募集が目に留まりました。
協力隊OBの先輩と現役の協力隊が協力して事業を行い、ノウハウを身につけた協力隊は最終的に自分のやりたい事業で起業して独立するという「信州須坂モデル」の取り組みを見た瞬間に「これだ!」と思いました。
募集要項を見ると締め切りまであと一週間と迫る中、最後の週末に協力隊主催の芋煮会が開催されていることを知り、現役の隊員と話が出来る良い機会だと思い参加しました。
芋煮会当日は協力隊の他に「信州須坂移住支援チーム」の方々もお越し頂き、活動内容など色々なことを聞くことが出来て有意義な時間を過ごすことが出来ました。
芋煮会が行われた場所は協力隊OBの早川さんが運営する「山の神キャンプ場」という場所でしたが、訪れたのが夏ということもあってかヒグラシの鳴き声がとても心地良く、地元の方が持ち寄ったお惣菜を食べながらゆっくりと流れる時間の中で「自分がやりたいことは、こういうような自然の中でみんなが集える場を作ることなんだ」と思いました。
それからホテルに戻って急いで応募書類を書いて、期日内に提出して何とかご縁を頂き須坂市に移住してきました。
須坂市は「フルーツ王国」と呼ばれるほどリンゴやブドウなどのフルーツの栽培が盛んです。
この地域特有の昼夜の気温差が大きいことが寄与していますが、実際に住んでみると朝は凍えるほど寒い(10月で0度付近まで下がることも!)のに、日中は20度近くまで気温が上がるという寒暖差による衣類の着こなしに苦労しています。
自然の恵みを受けて育った野菜を食べているおかげで食生活が明らかに改善しました。地元の農家さんが育てた野菜や果物を売っている直売所が多いのが魅力です。コンビニにも直売所があるのはビックリしました(しかもお買い得)。
須坂市で私の住んでいる地区から隣の長野市まで車で約20分、北アルプスを一望出来る自然豊かな豊丘地区まで車で約15分、標高1,500mの峰の原高原まで車で約40分と都心にも自然にも近い素晴らしいロケーションです。
上信越自動車道の「須坂長野東IC」も近く、遠出するもの良い場所です。
●全く知らない土地で、全く知らない人達の中に飛び込むという勇気
「もし受け入れなられなかったらどうしよう」という気持ちがありました。
でも実際に住んでみると協力隊OBや協力隊の功績もあり、地元の方に話しかけてもらえたり、イベントに招待して頂いたりと自然と輪の中に入っていくことが出来ました。
また、協力隊の活動を通じて新たな人間関係が広がることも魅力の一つだと感じました。一人では出来なくてもみんなで力を合わせれば出来る選択肢が増えるのだと実感しました。
人生で初めて原動機付きの草刈機を用いて草刈りを行いました。慣れない作業に苦労しましたが、これまで経験したことが無いので刺激がありました。
そんな中、元々乗っていた自動車が2WDのFFでしたが、地元の方をはじめ周囲から「2WDでは須坂の冬を越せない」と言われました。聞くところによると冬は氷点下まで下がり水道も凍結するほど寒く、雪も多少は降るとのことでした。加えて冬の期間に峰の原高原に行く機会もあるので、確かに2WDでは厳しいと感じました。
そこから行動に移し、今後は林業や農業に関わる機会が多いので積み込みしやすい4WDの軽トラを買うことに決めました。購入後に記念に撮影した写真が冒頭の一枚です。
これからはこの相棒と共に須坂市を駆け巡りたいと思います。
●地域おこし協力隊としてやってみたいこと
これまで山登りやキャンプを通じて自然の魅力を感じ、魅了されてきました。これは自然の良さを伝えるために景観や設備を作り、メンテナンスして頂いている方々のおかげなのだと感じました。
次は自分がその恩返しをしたいと考えています。
須坂市には活用されていない雑木林があります。それら整備してキャンプ場や遊歩道の整備を行い、自然を体感できる空間を作りたいと考えています。
県内からはもちろん、県外からの訪問者に来て頂けるような魅力のあるものを生み出し、須坂市の自然に少しでも貢献していきたいと考えています。
そのためにはまずは土地探しですが、一重に山と言っても様々な所有者がいらっしゃるのでこの調査からスタートしていく予定です。そのためには地域の皆さんに活動を理解頂けるように地道に地域貢献活動を行なっていきます。
3年以内に何とか形にしていけるように努力していきます。
●移住を希望する皆さんへ
これまでの生活を一変して、新たな土地に移り住むことはとても勇気の必要な行動だと思います。
「仕事が上手くいくだろうか」、「他県から来た自分を地元の人が受け入れてくれるだろうか」など色々な不安があるかもしれません。
でもご安心下さい。結構移住者多いんです。
地元の皆さんも気さくに話しかけてくれたり、イベントも一緒に楽しめたり、自然と受け入れてもらえます。
協力隊のメンバーも皆移住者なので、不安に思うこと、相談したいことがあればご連絡下さい。
もちろん、「信州須坂移住支援チーム」も全力でサポートして頂けます。
協力隊に着任して一ヶ月、早くも色々な経験をさせて頂きました。あっという間だったような長かったような不思議な時間でした。
これから3年間、今は何も無い自分が何者かになれる日を目指して日々努力させていただく次第です。
末筆になりますが、何とぞよろしくお願い致します。