移住者体験談
鈴木 良
移住先 | 伊那市 |
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移住年月 | 2016年4月 |
年代 | 30歳代 |
古民家再生を通して地球と調和した生活
鈴木さんは愛知県蒲郡市出身。大学進学を機に長野県での生活を始めました。大学卒業後、ラーメン店を起業し、経営する傍ら、お店に通う子ども達が、高校を退学してしまったり不登校となっている状況を目の当たりにする中で、子ども達に責任ある立場でかかわりたいと、教員免許を取得。その後、上伊那地域の高校で教員として働いています。
また、5年前に伊那市東春近に築150年のかやぶき屋根の古民家を取得し、自身でリノベーションを行いながら、お住まいになっています。家には広い庭や畑があり、昔ながらの大きな家といった感じがある一方で、室内には対面式キッチンや薪ストーブなど、生活のしやすさといった視点を入れながら素敵にリノベーションされたお宅にお住まいです。
そんな鈴木さんから「伊那で生活するきっかけ」や「今の生活で大切にしていること」についてお伺いました。
伊那で生活するきっかけ
教員となって初めて赴任したのが上伊那地域で、その時は南箕輪村にある教員住宅に住んでいました。もともと古い家に住みたいという希望があったので長野県内でそういった古民家がないか探しました。いろいろな物件を見て回ったのですが、この物件を見たところ、一目で「この家に住みたい!」と思い、購入を決断しました。
家を購入した人ならわかるかもしれませんが、これは「恋」と同じで、恋愛の場合も相手の欠点が気にならなくなるように、この物件の家の状態は悪かったのですが、迷うことはありませんでした。また、家の立地も子どもたちが自力で小中学校に通える場所にあり、駅へも自転車で行けるという点も、探していた条件とまさに一致していました。
この地域で生活しているのも、仕事や家という「ご縁」かなと思います。
伊那と実家との生活の違い
愛知県の実家からは海が徒歩2分ほどの距離にあり、よく散歩していました。海辺の散歩は時間も忘れ、何時間でも散歩ができて良いですね。また、住民の性格が開放的なせいか、古い家は道から中の様子が丸見えで、家の人が昼寝している様子も見られました。一方でこちらの住宅は、土地が広いせいか中までは見えませんね(笑)。
こちらでの生活で素晴らしいと思うことは、みな、農家であったりや農家に親戚がいるせいか、お米や野菜が買わなくても手に入ることです。自分の働いている高校でも生徒に聞いたところ半分くらいの子たちはお米を買っていないと言っていました。
畑や田んぼがあることは当たり前のことかもしれませんが、本当に贅沢なことだと思います。また、今の住まいにはウッドボイラーと太陽熱温水器があり、ガス代もかなり少なくできました。木材資源が豊富で日照時間が長い地域の特徴かなと思います。
今の生活で大切にしていること
自分の生活スタイルとしての目標は大げさな表現で言うと「地球と調和して生活する」ことです。
モノを消費して、すぐ捨てるような生活をできるだけしない、なるべく化石燃料を使う量を減らすといった、地球に負荷の少ない生き方ができればと思います。
また、今の時代は、働き方を見ても、自分が携わった仕事がどのように市場で消費され、どのように循環して、お金に代わっているのか非常に分かりにくい時代となっています。そんな時代だからこそ、畑を耕したり、家を補修したりして、自分の力で何かを生み出していく喜びを実感できればと思います。
鈴木さんのブログ「伊那谷の古民家再生」(http://zenhankai.blog.fc2.com/)(外部サイト)
鈴木さんのブログをまとめたスライドショー(https://www.youtube.com/watch?v=ZpFnv9gLmJM)(外部サイト)