移住関連情報
移住者の手記をご覧ください『障がいを持つお子様をお持ちで移住を検討されている方にぜひ読んで頂きたいです』
2020年3月に関東地方から須坂市へ移住したAさんから、実際に受けた須坂市のサポートについて手記を寄せていただきました。
須坂市に移住して3ヵ月が経ちました。
移住前から一番不安に思っていたことは子供の学校についてです。
次男には発達障害があり自閉症、多動症、聴覚過敏があります。
須坂市に移住を決めた理由のひとつは長野県で唯一の市立の特別支援学校がある事でした。
障害のある子供にとって通う場所の選択肢は多い方がいいと思ったのと
「障がいのある子もない子も、地域の子どもは地域で育てる」
「障がいのある人も安心して生活できる地域社会へ」
という須坂市の理念に地域と共に歩む教育活動を推進しているとあったからです。
4月になり入学式が終わると、すぐにコロナで学校は一斉休校になりました。
予定が急に変わる事や予定が無いことに対応しきれない次男は、たびたび近所で問題行動を起こしました。
彼の中でもパニックとストレスと転校してきて友達を作りたいという思いが色々交差してもう爆発寸前だったのだと思います。
家にずっといることもできず、外に出ては問題を繰り返すので教頭先生に相談しました。
支援チームを組んで支援会議を開く事と児童クラブを利用してみたらどうかという提案をされました。
その日のうちに児童クラブの見学と申込みをして1週間後から利用できるようになりました。
対応、行動、許可の早さと教頭先生の「これからも一緒に考えていこう」と言って下さった言葉が今でも心に残っています。
4月後半に支援会議を開いて頂きました。支援会議とは他の地域ではケース会議と呼ぶ所もあるそうですが、発達障害や困難を抱えた子供の学校生活をチームで支えるための会議です。
初回は教頭先生、クラスの担任の先生、支援クラスの担任の先生、特別支援コーディネイター、須高地域総合支援センターの担当の方、保護者というメンバーで、今困っていることや本人の様子を相談し、これからの生活にどういう支援が必要かを話し合って下さいました。
以前住んでいた地域では、このように関係するみなさんが一堂に集まって会議をし、問題を共有して、課題や改善点を話し合うということはありませんでした。
調べるとケース会議というのは申し出れば組んでもらえるようですが、そのケース会議ですら知らない人の方が多いのではないかと思います。そして実際開催されるのも稀のようです。
ですから、一人一人、色んな担当の方へ同じ事を何度も何度も話してどうすればよいかの相談をし、相談をしても結論が出ず、結局自分でなんとかしなければいけない・・・という日々を何年も過ごしてきた私にとって、このような会議がある事は驚きと感激と感動でした。
1人で考えなくていい、悩まなくていい、探さなくていい、それは本当に心強い事です。
1回目の会議から児童クラブと併用して放課後デイサービス(障害のある子供達専用の学童保育)を利用したらどうかという事で、支援センターの担当の方が次男の特性にあった放課後デイサービスを探してくれ、見学の予約をとってくれました。
コロナの為6月まで見学ができない施設も多く、6月に入ってからすぐに見学に行き7月から利用開始できるようになりました。
以前住んでいた地域では、放課後デイサービスの存在は入学してからクラスの保護者の方に教えて頂いて知りました。
ですから入学後に病院を探し、診察して、診断書を書いてもらい、放課後デイサービスを探し、市に申込みをして、施設と契約をし、療育手帳を申請、発行されてから利用開始となったので3ヵ月の期間を要し、調べたり問い合わせをしたり、見学に行くのも全て自分で行いました。初めての事でよくわからず、何度も市役所に足を運びました。
須坂市では2回目の支援会議で放課後デイサービスの施設の方、支援事業所のプランナーの方にも来て頂き、そこでいつから利用を開始するか、どのように利用するか、何日利用するかを話し合い、学校の担任の先生からは学校生活において不得意とする所、注意すべき点などを伝える引き継ぎなどを行って下さいました。
今抱えている問題点に対する改善策もいくつか出して頂きました。
発達障害、自閉症と一言で言っても症状や特性はその子によって違います。
対応方法や、改善策もその子によって違うので論文や誰かの解決策を聞いたり、読んだりしただけではその子の解決策にならないのがこの障害です。
このような会議を開いて頂く事によって、解決策が見つかったり、不安点、問題点を一度で共有出来たり、次に進む段取りが組まれていくので時間のロスもありません。家庭でもどう接していったらいいか、他の障害のある子供達を見てきている方の意見はとても参考になります。
なにより、相談できる場所が必ずあるという事。話を聞いてくれる人がいるという事。これが本当に大事な事だと思います。
障害のある子の親は常にあきらめと焦りの思いにとらわれがちです。
でも、人は足りないからこそ助け合えるのだと思います。
須坂市は1人で頑張らなくていいと思える町だと思います。
私はひとり親で、障害のある子供と、実家も遠い須坂市に移住をしました。なんとかなりそうだという希望と、良くなっていくという期待を持って今は生活をしています。
ぜひ、希望を持って移住してきてください。
(2020年7月3日)
★須坂市立須坂支援学校(小学部・中学部)ホームページ
http://www.suzakashien-school.ed.jp/
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