阿智家族 暮らす、生きる。
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会合や草刈り、お祭りなど事務局の仕事は細かく多岐にわたる。 土曜日の夜、阿智村伍和(ごか)地区の公民館会議室に金子智行さんの姿があった。愛知県から農業をするために阿智村に移住して4年。現在、伍和自治会の事務局を担当している。 「定住にはふたつの基盤があると考えています。ひとつは生活の基盤。そして地域の基盤です。地元の自治会活動に参加するのは、まさに地域の基盤そのもの。その両方あっての暮らしだと思います。消防団には年齢的に入れなかったので何か地域との繋がりと貢献できることはないか…と考えていたときに前自治会長さんに事務局をやらないか?とお声がけいただきました」 「厳しい言い方になっちゃうけど夢だけでは暮らせないと思います。いったん溶け込んでもらえば隔たりなく接していますし、要はその場所での暮らしや繋がりが心地いいと思えるかどうかなんじゃないかなぁ」そう現自治会長の河合さんは語る。 「小3で転校してきた娘が、まず友だちを作って溶け込んでくれたのがありがたかったですね。自分は20代から移住して就農したいという予定を持って働き、ある程度の蓄えをしてからこちらに来ました。それでもおそらく農業だけで食べていけるのはあと何年かかかる。なんとか安定させて阿智の農地を守っていけるようにしたい。子どもにはここが自分のふるさとだと思ってほしいですからね」ひとつは生活の基盤。そして地域の基盤です。定住にはふたつの基盤があると考えています。12ACHI KAZOKU金子 智行さん(40)「名古屋では地域としてのコミュニティはないに等しかった。伍和は集落として、家族構成まで全部知っています。見ていないようでも見ていてくれて必要なときは助けてくれるんです」
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