唱歌「故郷」のふるさと 信州中野で暮らす
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14を囲んで工房とギャラリー、住居が並ぶ中川岳二さんの家は、お父様の生家があった場所。大学卒業後、自然豊かな田舎で木工作家として生きるため、埼玉から移住した。代表作である木のおもちゃは、寄木と木象嵌という技法で立体を表現しているのが特徴で、細部にまで精密につくられている。「ローカルとグローバルが出会う、文化が生まれる場所を」との想いから、数年に一度、自宅ギャラリーで開く個展には、国内外から多くのお客様が実物を観ようと信州中野に足を運ぶ。作品づくりの動機についてたずねると、小さい頃から好きだったものづくりが仕事になったようなもので、作品をつくる生活が当たり前だと言う。「子どもが遊びに没頭するように、楽しみながら自分の創りたいものを表現していきたい」と中川さん。2014年には信州産の針葉樹を使った家具造りが軌道に乗った。デザインを中川さんが考え、製造は協力工房などに委託する。「子どもが小さい頃は、ダイニングテーブルに合う子ども用の椅子が必要だと思ったことから『オンブーチェア』が、『ほんとソファ』は、親子で絵本を読んだ時間から生まれました」と、中川さん。家族と過ごす時間と信州の森の資源が、子どもの成長と共に長く使い続けられる幸せな家具を生みだした。「自然が身近な場所で子育てができてよかったです」とパートナーの千恵子さんが言うように、自然との距離が近いことは中野に暮らすなによりのご褒美。「ここでしか出会えないもの、また来たいと思ってもらえるものを、これからもつくり続けていきたい」。中川さんの創造は続く。※作品は個展でのみ販売、2015年6月頃、中野市の自宅ギャラリーにて個展あり。詳細はWebサイトへ(http://nakagawa.take-g.com/)遊びと創造が融合する木工と暮らしのリズム好きな場所に居を構え、仕事も暮らしも自分の想い描くスタイルで暮らせたら、きっと毎日が楽しいに違いない。移住したい県ランキングで常に上位に入る長野県で、中野を選んだ人たちは、どこに魅力を感じ、どう暮らしているのか。それを知ることは、私たちの日々の暮らしのヒントになるかもしれない。1.中川さんご夫妻と花のようにかわいい3姉妹が座る「ほんとソファ」。子どもと絵本を読むイメージでデザインされ、フレームに信州産カラマツを使用 2.製材や大きめの作品制作に使う工房。圧着が必要なため多数のクランプが並ぶ 3.まずは粘土で模型をつくり、それを図面化する。この図面化までで作品の9割が決まる 4.先輩の家具作家に特注した机たち。ここから様々な作品が生まれた 5.細く切った木片を木工ボンドでくっつけ、クランプで圧着する 6.小さなパーツも一つひとつ手作業で堀る 7.宇宙なイメージの「ミョロミョロとユラユラ」、「コケシスターズ(梅と桃)」、「ふるふる福助」 8.三女・桜乃ちゃんのお気に入りは「がらがらどり」15234786中野市と暮らす創造の場所として、また憧れの「田舎暮らし」として、中野を選んだふた組の移住者に話を聞きました。live

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