唱歌「故郷」のふるさと 信州中野で暮らす
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15々な調査で、常に「移住したい県ランキング」のトップ3に輝いている信州において、中野市永江地区にも、豊かな自然と田舎暮らしに憧れて都会から移住してきたご夫婦がいる。東京から築230年の古民家に引っ越してきた川島直樹・幸子さんご夫妻だ。移住を考えたのは、仕事で多忙を極めていた直樹さんが病気で入院したことがきっかけだった。「今の生活を続けるのは無理だと素直に思いました。お金じゃない、もっと人間らしい生活がしたいと思ったんです」。移住の誘致をしていた地を何箇所か回りつつ、ピンと来る物件に巡りあえずにいた中、もしかしたら売りに出るかもしれないと下見したのが現在の家だった。空き家状態が続いていたため中は朽ち果て、大規模な改修が必要だったが、「ここしかない」と熱望。2年の改修期間を経て移住をし、約30坪の自宅の畑でいろいろな野菜を作り野菜中心の食生活を送るようになってからは、「体重が15kgも減って、持病の高脂質症も改善されました。何より全く太らなくなった(笑)。そのうちお米も作りたいと2人で話しているんです」。近所づきあいの大切さを教えられ、おてんまなどの共同作業に取り組むうちに、スムーズに田舎暮らしに馴染んでいった。現在は、「田舎に住んでみたい」「古民家暮らしをしたい」という人のためにNPO法人「北信州・ふるさと古民家を住み継ぐ会」を起ち上げ、自宅の見学の受け入れや講演会などで古民家の保持保存の重要性を伝えている。人生を豊かにするための最善の答えが田舎暮らしだった1.地元にすっかり溶け込み、田舎の暮らしを満喫している川島直樹さん、幸子さんご夫妻と愛猫の夢子ちゃん 2.囲炉裏など昔の生活の知恵はできる限り残している 3.大切にしている90年前のスキー道具。スキー博物館にも同様のコレクションがある 4.奥様の手料理は野菜中心。薬剤師として医療に携わっていた経験が、食への興味を高めたという 5.江戸寛政年間に建てられた古民家を改築。2年の月日を経ていきいきと息を吹き返した 6.納屋に住み着く猫の表情も穏やか 7.「田舎暮らしをしたいという人達を温かく受け入れたい」と語る川島さん2346715
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