移住者体験談
佐々木 万里さん(東京都出身)
移住先 | 長野市 |
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移住年月 | 2012年 |
年代 | 50~60代 |
職業 | セラピーハウス経営/オーガニック料理ソムリエ/スタイリスト |
北アルプスに魅せられ大岡へ
長野市大岡。2005年に長野市に合併された人口1,000人弱の山あいのエリアです。
東京出身の佐々木万里さんは、長野市街地での約25年間の暮らしを経て、5年前にこの地に移住しました。住まいは、15年間空き家だった標高約750m/築200年の古民家をリノベーション。
今はここでサウンドヒーリングという健康法を取り入れたマッサージやシロダーラを施術し、従来の仕事であるヘアメイク・スタイリスト・コーディネーターとしても働きつつ、「大岡森林塾」という地域の林業研究グループに入り、森林整備の手伝いなどもしています。
「この家は180度北アルプスを見渡せ、開放感があって視界に電線もありません。近くを流れる聖川の川音も心地よく、大きな道路も通っているので交通も意外と便利なんですよ」 サウンドヒーリングとは、心地よい音と振動を使って身体を癒す方法。そこに、佐々木さんは深いリラクゼーション効果が得られるバリニーズ・マッサージや、アーユルヴェーダを取り入れたリンパマッサージなど、施術する相手に合ったものを組み合わせています。看板を出して営業はしていませんが、長野市街地から車で1時間ほどかかる場所にもかかわらず、その評判は口コミで広がっています。
都市部から毎年泊りで来られる方もいて、とびきりのお料理も提供しています。
癒しを求め、知人の縁が移住のきっかけに
もともとは結婚を機に長野市に移住した佐々木さん。ヘアメイク・スタイリストやコーディネーターとして活動し、撮影の際はモデルなどに顔のむくみを取り除くフェイスマッサージを施していました。離婚を経験し、愛犬と暮らすように。しかし、愛犬が原因で喘息を発症し薬に頼ることに。このままずっと生涯薬と共に暮らすのに疑問を持ち「薬に頼らず治したい」という思いのもと、自然のなかでは喘息の発作が起きなかったこともあり、「癒しの国」として知られる東南アジアのバリ島へ旅行に行ったのです。そして、そこで受けたサウンドヒーリングの心地よさに衝撃を受け、3カ月に1回、訪問するようになりました。次第に「日本で疲れている人にもこのマッサージをしてあげたい」と思うようになり、現地で技術を習得。さらに自らのヒーリングを求め、インドやチベット、ネパール、アメリカのシャスタ山も旅し、喘息も克服しました。 こうして、当初は長野市街地の自宅でサロンを始めましたが、音を使う施術は周囲の雑音を遮る必要があるため、部屋を締め切らなければいけません。
「バリ島では自然のなかでゆったりとした気分を味わってもらえるのに」
そうした違和感を覚えていた頃、埼玉から大岡に移住した知人の家に行ったことで大自然の森・水etc….そして何より北アルプスの眺望に魅了され、移住と癒しのスペース造りを考えるようになりました。
目標は“関係人口”を増やすこと
現在の自宅は、大岡に移住した友人を介してご近所の方に紹介してもらい、友人の大工に5カ月以上かけて改修をしてもらった物件です。引っ越してきたばかりの頃は、朝日に染まる北アルプスの美しさから、毎朝、外でお茶を飲んで眺めていたのだとか。今はこのようにゆったりとした暮らしを楽しんでいますが、セラピー営業や森林塾の活動、地域活動の役員など、市街地にいた頃よりかえって忙しくなった部分もあると言います。地域活動への参加は、昔は一切考えなかったそうですが、今は時間がある限りは地域密着型のコミュニケーションを楽しんでいます。
「地域に馴染むコツは、よそ者なりきに地域のルールを守り、草刈りや地域の集会など必要最低限の地域活動に参加すること」と佐々木さん。しかし、それによりさまざまな移住者と知り合え、空気と景色がよいところで暮らしたいという共通の思いをもった友だちも増えたのだとか。実際に自宅を追加改装した際は、そうした移住者仲間に手伝ってもらいました。
そして、現在は長野市が主催する「拠点づくりのワークショップ」にも参加。今後は大岡に週末だけ遊びに来たり、この地に畑を借りたりするような“関係人口”を増やすための拠点づくりを考えています。
「大岡に移住しなくとも、関係人口を増やすことはできます。そのためにも中山間地域の暮らしの楽しみ方を伝え、関わりたい人にはどんどん力添えをしたいですね」
そう話す佐々木さんの生き生きした笑顔は、きっと関係人口増加のきっかけづくりにつながっていくことでしょう。
メッセージ(長野でよかった!)
大岡は水と野菜が本当においしい!水は近所の湧き水を汲み、ご近所さんから野菜や米をいただくことも多く、本当にありがたいですね。また、味噌と醤油は地域の人に教えてもらって自分でつくっています。以前は自家製の調味料をつくるなんて夢にも思っていませんでした。昔に比べて食事は贅沢になりましたね。