移住者体験談
宮野 雄介さん・智亜紀さん
移住先 | 東御市 |
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移住年月 | 雄介さん:1998年、智亜紀さん:2005年 |
家族構成 | お子さん4人 |
職業 | 専業農家 |
窮屈感を味わうと「自分はこうしたいんだ」と気付く
■雄介さん
私は神奈川県出身です。
私が農業高校に通っていたころ、玉村豊男さんが東御市(当時は東部町)で農業を始めていらっしゃいました。高校卒業後はいったん就職したんですが、玉村さんが農園管理をする人を探しているということを親戚の縁を通じて知り、20歳のときにこちらへきました。
29歳のときに、専業農家として独立をしました。現在は西洋野菜などをはじめ、HPや知人の紹介を通じてレストランや個人のお客様への発送や、JAや地元直売所へ出荷しています。また新規就農を希望する方の里親として、野菜栽培の指導をしています。
また「自然体験学習指導者」としての資格を活かし、子供たちに対して野菜に興味を持ってもらえる様な体験を通じて、農業の楽しさを伝えています。
■智亜紀さん
私の地元は東京です。調理師専門学校を卒業後、都内の料理店に勤めていましたが、夜型の生活に疑問を持ち始めたこと、また調理師なのに野菜の育つ姿を知らなかったというモヤモヤもあり、自然環境のあるところに興味を持ち始めました。
窮屈感を味わうと、自分はこうしたいんだ、という気付くきっかけになるんですよね。
いったんは軽井沢で仕事をしていたんですが、働きたいと思う職場が東御市にあるのを見つけて、この地にやってきました。そしてその職場で出会ったのがきっかけで結婚しました。
ちょっと外に出れば、つながりができる
■雄介さん
地域の皆さんには、お世話になっています。地域の会合や草刈などに出るうちに、地元の方々とお知り合いになることができました。独立する際に農地の相談をしたときにも、空いてる畑などを貸してもらうこともできました。
東御市には立派な弓道場があって、兼ねてから憧れていた弓道をやり始めたのですが、そこで知り合った人に誘われて、消防団音楽隊に入りました。さらにその人のツテで、住まいを見つけることもできました。ちょっと外に出ることでつながりを広げられたように思います。
何かお世話になったときに、返さなきゃ!と思うんですけど、実際返せないんですよね。
そんなとき、地域の皆さんからは「俺じゃなくて、俺の息子に返せ!」といわれます(笑)出世返しってこういうことをいうのかもしれませんね。
■智亜紀さん
こちらに来たころは、仕事だけだったのでなかなか地域と関わることはできませんでした。
ただ、結婚したことで生活の拠点ができ、地域の人との交流が始まったように思います。さらに子供が生まれたことで地域のおばちゃんが話しかけてくれるようになりました。
星がありすぎて、何座かわからない!
■雄介さん
ここは南斜面で陽当たりがよくて、本当にいい場所だなあと感じますね。
上田市のベッドタウンとしての印象もあるので、新しい人も入ってきますよね。閉鎖的じゃなくて開放的だと思います。
市内や近隣にも商業施設があるので、車さえあれば困ることはありません。
今でも星空に感動します。ありすぎて何座かわかりません(笑)
長野って言うわりには雪はほとんどないです。いわゆる「大雪」っていうことは、心配しなくていいと思います。除雪車もきますしね。
市の子育て支援の方向性を信頼している
■智亜紀さん
今、4人のこどもがいます。長女、長男、次男・三男ですが下の二人は双子です。全員が保育園に入っているのですが、保育料が2人目は半額、3人目以降は無料というところがありがたいです。
里山体験のイベントや、子育てに関する講演会などがあって、きちんとした情報を得ることができます。
市の子育て支援の方向性が自然保育に重要性を置きながら様々考えてくれているので、信頼しています。
気になるのは、小学校までは近いのですが、中学校が遠いところ。
自転車通学の子もいれば、親御さんが送り迎えをしているところもあるようです。
あと、子どもは帰ってきて近くに遊びに行くところがないんですよね。大人の社会は車があれば動けますけど。子ども向けのイベントもたくさんあるんですけど、親が連れて行く必要がありますね。
東京にいたときよりも、自分らしくいられている
■雄介さん
東御という場所は自分たちだけが頑張ろうというんじゃなくて、これからみんなで一緒に頑張ろう!とやりたいひとが集まっています。
まち全体で盛り上げていきたいと考えている人がゆるやかにつながっている気がします。
僕はワイン用ぶどうを栽培していて、妻は料理人。持っている技術を生かして、私たちもそのような流れに今後関わっていきたいです。
東御市ではいま、ワイン産業が盛り上がっています。都会に発信するにもいいですよね。ワインがあるのでおいしいものがある。新しい人たちが参入してくる余地があると思います。
■智亜紀さん
東京にいたときよりも、自分らしくいられていると思います。10年たってみて今が一番充実していると思います。
さまざまな場面で繋がりができ、知ってもらえ、自分の居場所ができたからだと思います。
今は子育てを大切にしたいと考えている中で、自分を活かせるライフワークを模索中ですが、今出会えている先輩方や友人に刺激を受けながら、また自分の人生の選択をしていきたいです。
□西洋野菜・ジャムの販売 Agronaume(アグロノーム)
http://www.agronaume.com/