移住者体験談
村上 圭一さん・かおりさん
移住先 | 東御市 |
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移住年月 | 2011年 |
家族構成 | お子さん2人 |
職業 | 圭一さん:写真家・編集者、かおりさん:グラフィックデザイナー |
東日本大震災をきっかけに
■圭一さん
出身は大阪ですが、移住する前は東京で出版社に勤めていて、雑誌の編集や、写真の撮影を行っていました。
東日本大震災をきっかけに、空き家となっていた妻の祖父母の家がある東御市に移住することを決め、2011年の11月にこちらへ引っ越してきました。
移住してからも、以前の仕事をベースとして続けているほか、古本屋に入れる本を選ぶ仕事や、東御市内のNPO「ひと・生きもの・くらし研究所」を手伝っています。
■かおりさん
出身は東京です。私は東京の印刷会社で、DTPデザイナーをしていました。
長女を出産してから育休明けで、時短勤務をしていましたが、こちらへ引っ越してくるのを機に、退職しました。今はフリーのデザイナーをしています。
サバイバル的な事件がたくさん!
■かおりさん
こちらへの移住に関しては、私たちはさほど心配はしていませんでした。ですが、親たちの方が心配していましたね(笑)寒くて何もないとこなのに大丈夫か?と。
でも今の時代はネットで買い物をができますし、不便は感じません。車もあれば、どこへでも出られます。私自身、こちらに来てから市内の自動車学校で車の免許をとりました。
東京とくらべて、やはりこちらは寒いと思います。来たころは、寒さをしのぐ知恵がなかったのは事実です。白い息を吐きながら、ご飯を食べたり(笑)
でも年々、こうすれば暖かいんだっていうことがわかってきたし、体も寒さに慣れてきました。
■圭一さん
倉庫においていたお米がネズミにやられていたり、屋根裏にできていたスズメバチの巣のせいで家の中にスズメバチが発生したりといった、サバイバル的な事件がたくさん起きています(笑)
でもそういうときは自分で調べたり、近所の人から聞いたりして対処できています。
ほどよい距離感
■かおりさん
来たころは右も左もわからなかったのですが、今住んでいるのが祖父母の家だったこともあり、近所の方は私のことを良く知ってくださっていました。
子どももかわいがってもらったり、大変お世話になっています。
長野でのあるあるだと思いますが、近所の方々が野菜をよく分けてくださいます。朝起きたら玄関に白菜があったりして。東京じゃないことですよね。
皆さん、そっと置いていってくださるので、どなたがおいてくださっていったのか分からないこともあります(笑)
思ったより、都会的な考えの人が多いので、干渉しすぎる人はいません。程よい距離感ですね。困ったときはこちらも聞きますし。
人とつながっていると、いろんな機会が生まれて、知り合いも増えてくると思います。
以前は地元の食品加工施設でのパートをしていたのですが、そのおかげで地元のことも知れたし、近所のママとの地域活性化の活動へもつながっています。
主人も地域にどんどん飛び込んで、溶け込んでいますよ。
■圭一さん
裏のおじさんが、「村上くん!年賀状のソフトの使い方教えてくれ!」って聞きに来たりもしましたね(笑)
■かおりさん
ただ働く場所は、東京と比べればやはり少ないと思います。特に女性や子育て中の方は。
ですが、保育園の待機児童がゼロなので、子どもを預けながら仕事を探すことはできます。私の友達でも第2子を出産してから、正社員として就職した人が2人もいます。
本人にやる気があって、自分にスキルがある方であれば、大丈夫だと思います。もちろん会社へ働きに行くのもいいですが、私のまわりでは起業する人が多いような気がします。
■圭一さん
僕もそう思います。そういう仕事のしかたができる方が移住されてくるんだと思います。普通であれば会社に近いところに住んだほうが楽ですよね。
だから、終身雇用を求めていなくて、場所にとらわれない人であれば、やっていけると思います。
カエルこわい!→ザリガニ100匹釣ってくることも
■かおりさん
現在、6歳と2歳の娘がいます。こちらに来てから、たくましくなりましたね。
初めはカエルこわい!なんて言ってたりしたんですが、平気でイナゴをつかまえてきたり、ザリガニ100匹くらい釣ってきて毎日眺めていたり(笑)
気になるのは、歩いていける場所に公園がないんです。まわりの環境が公園みたいな感じではあるんですけれど。
子どもは車で出かけたがります。佐久市のこども未来館、小諸市のハローアニマル(長野県動物愛護センター)に行きたいといって、連れて行ったりします。
あと、東御中央公園はいいですよね。近所にはいない同世代のこどもが遊んでいるので、子どもは気に入っているみたいです。
■圭一さん
4月から、上の子は小学生になるのですがまた色々環境が変化してくるのではないかとは思っています。
また、廃品回収や通学路の草刈など保護者の任務もあるみたいです。こういうのは東京だとないですよね。
気負わず、暮らすこと
■かおりさん
現在、まちもりtomiという子育て中のママさんたちで集まった団体で活動しています。商品開発を考えたり、コワーキングスペースに人が集まったらどんなビジネスが展開できるかみたいな話をしています。
他にも地域のお店や団体が集まるマルシェを開いたり、映画の上映会などを企画しています。
今後も子育て中の女性の目線で、地域を活性化するイベントを仲間たちと一緒にやって行きたいと考えています。いきいきと活動している姿を子どもたちに見せたいですね。
■圭一さん
昨年から、信州大学地域戦略センターのプロフェッショナルゼミでまちおこしの実働部隊としての勉強をしています。祢津の東町歌舞伎をテーマに、何かを始めたいと思っています。
■かおりさん
今はどこに住んでも、どこに生きていてもいい時代ですよね。こういう暮らしをしてみたい、と思ったら動いてみたらいいと思います。
どこにいても色々なことはあります。それに自分がどう対処していくかということです。
死ぬほど困る、っていうことはここではありませんから。どんな変化があっても受け入れられる自分がいれば、大丈夫だと思います。
■圭一さん
一生ココにくらすぞ!って気負うと大変。気負いをせず、暮らしていったほうが楽だと思います。
□カラーボックスパブリッシング
http://colourboxpublishing.wixsite.com/top2017
□kaokaograph
http://kaokaograph.com/